感動しますよ~!映画「ザ・キングズ・スピーチ」
「せっかく良い天気なのに、暗い映画館に入るなんて・・・お天気がもったいないなぁ~。絶好の散歩日和なのに~・・・」とブツクサ文句を言うX君を「まあまあ」となだめすかして、アックスブリッジのオデオンまでやって来ました。
太陽燦々のアテネから天気の悪さで世界的に有名なイギリスに、好き好んで移住したのは自分なのにねー。彼がこの地に住むようになってから、急に天気の悪い国になった訳じゃありません。なのにイギリスの天気に悪態をついて不機嫌になる彼は、とても理不尽だと思います。日光ないとブルー、雨だと悲愴なほど陰鬱・・・って、
アナタ、光合成でもしてんの?
と、いっぺん聞きたいくらいです。クリスマス時期に10日間も、日中20℃~15℃のギリシャに居たんだから、もう日光は充分浴びてきたじゃん・・・と思っている私は、彼のブツクサなど無視して映画館へ突進!
でも、絶対に観たかったんだもの!!!待ちに待っていたんだもの~~~!
幼少時に左利きを父王に無理やり矯正された=自己を否定されたトラウマによって、吃音(どもり)になってしまったアルバート(後のジョージ6世)。映画は、彼がウエンブリー・スタジアムの催事で行った、悲惨な出来のスピーチから始まります。
その彼が、言語障害の専門医と名乗るローグ氏にめぐり合い、吃音そして自己を克服していく過程がストーリーの根幹。そして、彼を支える妻ヘレナ・ボーナム・カーターの凛とした美しさ。。。愛情に満ちた妻、そしてエリザベスやマーガレットの優しい母親(=エリザベス女王のお母さん)を演じていました。
とにかく、コリン・ファースの熱演が迫力!国王を中心にした歴史モノじゃなく・・・彼を一人の人間として描いた本作は、見ていてジワジワ~っと感動しちゃいます。巷では既に、ファースがオスカー賞の有力候補と言われているのも納得です。
ところで、本物のジョージ6世ってこんな人。こうして見ると、エリザベス女王ってお父さん似なんですね~☆
そもそも彼は王様になる予定じゃなくって、お兄さんのエドワードが王位を継ぐ筈だったんです。でもエドワードってば、民間人でしかも2度の離婚歴があるシンプソン夫人と結婚!それで英国教会や政治家が、「そんなんじゃ国民に示しがつか~ん!」と言って、エドワード8世に退位を迫ったわけ。
で、急遽アルバートがジョージ6世に即位したんです。ろくに心の準備もなかったろうし、大変だよねー。しかも即位して間もなく、ドイツにヒットラーが台頭・・・そのまま英国も戦争に突入・・・という時期に王様やってたんだから苦労も多かったと思います。
そのせいかどうか、彼は56歳で逝去。それで長女のエリザベスは、20代半ばという若さで女王様になったんですね~。
というイギリス王室近代史が、バックグラウンドで・・・でもアルバートという一人の屈折した男性が、自己を取り戻すまでの感動的なストーリーなんです。やっぱり観に来て良かった~!と素直に思えました。
エリザベス女王も、この映画を観て亡きお父さんを思い出すのかな・・・?それとも、父親の吃音というマイナス面をフィーチャーした商業映画なんか、観たくないでしょうか?心情的に、そこんとこ微妙な気がしますが・・・。
でも、エリザベス女王じゃない貴方には、強力にお勧め!映画館でも、後でDVDや何年か後のTV放映でもいいから、いつか是非ぜひ観てみてね!!!!
あ、X君ですか?それがもう、見終ったら・・・「いや~久々に見応えのある、素晴らしい映画だったねぇ~♪」と、その日の青空みたいに晴れやかな笑顔で、たいへん満足していました。笑
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ところで私が一番印象に残ったのはエドワード兄さんたらシンプソン夫人以外の既婚女性や複数の男性とも親密だったというくだり。あらまあ、遊び人だったのかしら。弟が生真面目すぎて苦労しちゃうのも無理ないわ~。
そしてそんな映画を在日英国大使館とブリティッシュ・カウンシルが後援してることにもなんだか感心しました。
放蕩アニキの代役的に王位が振られたから、短命だったんだろうか?
コリン・ファースと一緒にBBC「高慢と偏見」でエリザベス役だった女優さんが、この映画では発音嬌声士の奥さん役で、年月に見合って老けてたのも印象的じゃなかったぁ?