人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ポリコレ問題のアルバート記念碑


お昼を食べた後、夕方のコーチ(長距離バス)予約時間までかなりヒマだったので・・・お散歩がてら行ったのは、毎度おなじみ?サウスケンジントン。

なにしろ、この周辺で少しウロウロしてから地下鉄ディストリクト線またはサークル線に2駅ぶん乗れば、コーチが発車するヴィクトリア駅に行ける近さだしね!

すなわち地下鉄の遅延や停止の可能性を考慮しても、夕方のコーチに間に合う安全地帯なわけです。イギリスアルアルで地下鉄が突然トラブっても頑張れば歩ける距離、いわば保険みたいなもん。笑
(*^^)v

ミュージアムが多くて見るモノに事欠かないから、時間つぶしにも最適。だからヨークシャーに向かった日は、電車に乗る前にV&Aや大英自然史博物館で道草しました。

でも今回は、夏休みのお子様連れで賑わうミュージアム類は避けて、、、



ポリコレ問題のアルバート記念碑_a0123372_20253859.jpg


暑い日(イギリス当社比・実際には28℃くらいw)だったから涼しい地下道をの~んびり歩き、ロイヤルアルバート・ホール付近で地上に出ました!

今はクラシック音楽の祭典プロムスやってて、この日も夕方にはコンサート観客が続々と来てた筈。日本のバッハ・コレギウム・ジャパンも今度の月曜日(8月19日)に演奏するって、音楽好きな姉Fちゃんが言ってました。




きっとコレね!鈴木雅明マエストロ率いる古楽器オーケストラ&合唱団による、マタイ受難曲。プロムスはBBCで放映するから、私も楽しみにしてます~♪

閑話休題。

私が見に来たのはこのホールじゃなく、向かい側にあるアルバート記念碑でした。



ポリコレ問題のアルバート記念碑_a0123372_21013564.jpg


これもロイヤルアルバート・ホールも、42歳の若さで病に斃れた最愛の夫アルバートを悼んでヴィクトリア女王が建てたもの。だから記念碑とホールは大通りを挟んでワンセットなのです。



ポリコレ問題のアルバート記念碑_a0123372_21333581.jpg


主役のアルバート王配が、めっちゃ金ピカなのは置いといて・・・高さ約54メートルもあるんだから記念碑っつーより、ほぼビル!?

1階ぶん3メートルとしたら18階建て、少なくとも17階建てビルの高さだもの~。




ポリコレ問題のアルバート記念碑_a0123372_21372529.jpg


とまれ最近ポリコレ的な物議をかもしたのは、彼の四方にある塑像。それぞれ完成当時1872年に、大英帝国の一部があった大陸を表現したそうで・・・。


ポリコレ問題のアルバート記念碑_a0123372_21402904.jpg


ヨーロッパが「Manufacture(製造)」を象徴。19世紀だから産業革命後期のイケイケだった頃でしょう。



ポリコレ問題のアルバート記念碑_a0123372_21450143.jpg


アジアは「Commerce(通商)」、シルクロードあったもんね。



ポリコレ問題のアルバート記念碑_a0123372_21471863.jpg


アメリカは「Engineering(工学)」で、アフリカは「Agriculture(農業)」なんだけど・・・。



ポリコレ問題のアルバート記念碑_a0123372_21493786.jpg


これがあるケンジントン・ガーデンズを含む王立公園を運営する「ロイヤルパークス」が公式サイト内ブログで、これらの像は現代においては不適切な表現もあると記述したのが昨年のこと。

たしかに人種的ステレオタイプが顕著だし、とりわけ問題視されたのは↓ここ。



ポリコレ問題のアルバート記念碑_a0123372_21582042.jpg


高い所にあって背伸びしても全体を見づらいので、画像を拝借しますねー。



ポリコレ問題のアルバート記念碑_a0123372_21590058.jpg


これです。のちに削除された、ロイヤルパークスのブログ記事から下記引用すると:

“Victorian guidebooks to the memorial describe how this ‘uncivilised’ man hunches over his bow. This pose was intended to represent him ‘rising up from barbarism’, thanks to his western teacher.”

「ヴィクトリア時代のガイドブックによると、これは『未開の(野蛮な)』男性が弓に身体をもたげている様子。西洋による教育のおかげで『未開状態(野蛮生活)』から立ち上がっていく姿を象徴していた」そうです。

つまりロイヤルパークス側としては約150年前そういう視点で制作された事を認めると同時に、現代では反感を買うのも認識してますから〜って予防線を張ったようなもの。

その記事が書かれたのは昨年ながら、イヴニング・スタンダードがこれを取り上げたのは先月のことで、、、



そうしたら、なんと・・・その数日後には、ロイヤルパーク公式サイトから該当ブログ記事が削除されちゃったんですよ!

記事削除に関しては明瞭な理由を公表してません。たぶん反対意見が寄せられただけでなく、イヴニング・スタンダードが取り上げた事によって、必要以上に注目を集めたのが危機感だったのでは?

この記念碑を取り囲んでデモ集団が撤去を要求したり、ゲリラ的に破壊・損傷されたら大変だしねぇ。
(-_-;)


ポリコレ問題のアルバート記念碑_a0123372_22260043.jpg


植民地時代の栄華と繁栄は、いまやポリコレの標的に一転。

こんなに巨大だから常時警備が行き届く場所(バッキンガムとかウィンザー等)への移築も大変そうだし、なによりロイヤルアルバート・ホールと対をなすロケーションが意味をもつ記念碑。

それでも将来的にずーっとココにこのまま、あるかどうか?という一抹の不安も拭えない、哀愁の金ぴかアルバート像なのでした!
(=_=)


*********************

日も読んで頂いてありがとうございました!

↓ ランキング応援クリック、よろしければお願いします。

にほんブログ村 海外生活ブログ イギリス情報へ
にほんブログ村









by londepa | 2024-08-16 22:59 | 外出&お散歩 | Comments(0)
line

お気楽ごくらく♪ロンドン&カントリーサイド半々の暮らしぶりを綴ります。


by londepa
line